「スリングシート」で検索すると、それほど多くの種類が出てこないかもしれませんが、実は海外では何百種類以上のスリングシートがあります。一方、スリングシートとセットで使用する介護リフトの種類はそこまで多くありません。それはなぜでしょうか。
その理由は、介護リフトを使用する対象者の身体に密着して使用する商品なので、利用する方の身体状況、身長、体重、使用する場面、場所等によって、形状や素材、大きさ等を合わせて変える必要があります。リフトの適応は吊り具(スリングシート)によって決まるとも言えます。
スリングシートの形状と用途で大きく分けると、脚分離型、シート型、ベルト型、ストレッチャー型、歩行用、ポジショニング用、椅子・座面型等の種類があります。
脚分離型スリングシート
足を支える部分が分離した形状で、汎用性が高く、多くの方にお使いいただけるスリングシートです、脚部を交差サポートし、臀部に生地が少なく、座ったままでも着脱できることが特徴です。座位姿勢が比較的によくなります。
ベッド、車いす、トイレ、入浴等幅広く使用できます。
詳しくは、「脚分離型スリングシート」をご覧ください。
シート型スリングシート
身体全体を包み込むハンモックタイプのシートです。脚分離型では股関節の痛みが強い方などに適しています。基本的には敷きこんだまま使用するので、臥位でしか着脱できません。広い接触面積で包み込むので、多部位の支えと安心感があります。
ベッド、車いす、入浴等で使用できます。
詳しくは、「シート型スリングシート」をご覧ください。
ベルト型スリングシート
基本的には2本のベルトで構成されています。胸と脚部のベルトで身体を支えます。股関節の角度を維持できる、頭を支えることができる、また脇を締めることができる方しか適していないです。それ以外の方を使用する場合、落下する危険がありますので、慎重なアセスメントが必要になるスリングシートです。着脱は容易で、利用者自身でもスリングを着脱することが可能です。
身体機能が合致すれば、ほとんどの場面で使用できます。
詳しくは「ベルト型スリングシート」をご覧ください。
ストレッチャー型スリングシート・ポジショニングスリング
仰臥位のまま吊りあげるためのスリングシートです。身体を起せない方に適しており、利用者の身体を均等的に全面的にサポートするシートです。専用のスリングバーと併用する必要があります。ストレッチャーの代わりに使用します。
詳しくは、「ストレッチャー型スリングシート」をご覧ください。
歩行用スリング
歩行訓練、立位支援、移乗等で使用できるスリングシートです。体幹や太ももをサポートし、バランスのトレーニングにも適しています。
詳しくは、「歩行用スリング」をご覧ください。