介護用スリングシートは、利用者の移乗時のみならず、ベッド上での体位変換など臥位姿勢を変えていくときに使用できる機種もあります。正しい使い方を理解することで、ベッド上での利用者の負担を軽減し、介護負担も軽減することで、より安全な介助の提供を確保できます。
1. 準備
スリングシートと周辺機器の確認
- スリングシートの点検
使用前に、スリングシートの布地やストラップにほつれや破損がないか確認します。 - 介護リフト装置の確認
使用する介護リフトが安全に作動するかチェックします。 - 利用者の状態確認
利用者の体調や皮膚の状態を確認し、負担がかからないように注意します。
2. 体位変換の方法
ベッド上での体位変換
- スリングシートを準備する
利用者を仰向けに寝かせ、専用のスリングシートを利用者の体の下の定位置に敷きます。ベッド上で引いたまま使用する種類もあります。 - リフトを接続する
スリングシートのストラップをリフトのスリングバーフックに取り付けます。 - 利用者を傾ける。
- リフトを操作して利用者をゆっくり傾けます。無理に引っ張らず、自然な体勢を保ちます。また一気に傾けるのではなく段階を追って姿勢を整えたり、ポジショニングピローをセットしたりしながら操作してください。
- 目的の体位になるように介護リフト昇降を行います(側臥位・腹臥位・半側臥位など)。
場合によっては、ポジショニングピローなど併用して姿勢管理を行いましょう。 - スリングシートをそのまま敷いた状態にする場合は、しわを伸ばすなどして肌に負担をかけないようにしましょう。
3. 注意点
安全に使用するためのポイント
- 皮膚や身体への負担軽減
長時間スリングシートを敷いたままにすると、蒸れるなど皮膚に負担がかかる場合があります。場合によってはスリングシートを外し、皮膚の状態を確認してください。 - 利用者の体調変化に注意
使用中に利用者のい体調が悪くなることがないか、利用者の反応を確認します。 - 説明書の確認
スリングシートやリフトの種類によって使用方法が異なる場合があるため、必ず取扱説明書をよく読みましょう。
介護用スリングシートの使用方法は、利用者の体格や状況、介助者の技術によって最適な方法が異なることがあります。専門家の指導を受けることで、より安全で効果的な使用が可能になります。