1. 歩行をサポートし体重を免荷
- 身体の一部を支える構造
歩行用ハーネスは、利用者の体幹や太ももを適切にサポートする構造になっています。機種によっては異なりますが、これにより、歩行時のバランスを取りやすくし、転倒のリスクを軽減します。転倒しそうになってもハーネスが体を安全な位置で支えるため、転倒することはなく怪我を防ぎます。 - 介護リフトと併用して使用
天井走行型リフトや床走行リフトなどと併用して使用します。介護リフトの昇降によって体重の一部を免荷することができます。これによって筋力低下やバランスの問題がある歩行能力の低い方でも自身の体重を支えながら歩行練習ができ、リハビリを行う事ができ、身体機能の向上に繋げることができます。またリハビリ専門職の身体的などの負担を軽減することができます。 - 介護リフトをハーネスが利用者の身体を保持するので、利用者の転倒リスクを減らし、利用者が「転倒しない」という安心感を持てるため、リハビリに積極的に取り組むことができます。
2. 様々な場面での利用
- リハビリの段階に応じて使用
歩行訓練のみならず、起き上がり、端坐位保持、移乗動作、立ち上がりなどの様々な動作場面でのリハビリにて使用することができます。また、平行棒、歩行器、杖などを併用することで訓練のバリエーションを増やし、より長い距離歩くことを目標とすることも可能です。
- 種類による動作の自由度
利用者の身体機能の状況によってハーネスの種類も換えていく事もできます。体幹のより不安定な利用者には身体の多くをサポートする種類を選択したり、安定が安定してくれば、サポート面積の少ないハーネスを使う事で、より自由な動きを可能にします。
3. 種類による装着のしやすさ
種類によって身体を覆う面積は違ってきます。面積の多いより体の多くをサポートするものは比較的着脱が難しく、サポート面積の少ないものは比較的着脱が容易です。しかしメーカーによってはサポート部分は多いが着脱が比較的容易な種類もあるので専門家に問い合わせるなどして情報を収集しましょう。
歩行用ハーネスを利用する際の注意点
- 適切なサイズを選ぶ
利用者の体格に合わないハーネスは、支えが不十分になるため危険です。 - 装着時の確認
ハーネスがしっかり固定されているか、ストラップやバックルが正しく装着されているかを確認します。 - 介助者のサポート
ハーネスを使用する際も、介助者が付き添い、利用者の動きや状態を観察することが必要です。 - 歩行訓練に適した介護リフトの種類を選択
併用してする介護リフトですが、歩行訓練に適した種類があります。またメーカー機種によっても向き不向きがあります。
一般的に適した介護リフトとして、天井走行リフト(レール式リフト)が挙げられます。その他、比較的昇降ストロークの長い床走行リフトの使用も可能でしょう。ただ、利用者の歩行に追随して介護リフトも動かす必要があります。 - 定期的なメンテナンス
ハーネスの劣化や破損がないか、使用前に必ず確認してください。
まとめ
歩行用ハーネスは、利用者が自立した歩行を目指すリハビリにおいて、安心感と安全性を提供する重要なツールです。正しい方法で使用し、利用者の能力や状態に応じたサポートを行うことで、効果的なリハビリや日常生活の改善が期待できます。