1. 準備
機器と利用者の準備
- スリングシートの点検
シートのほつれや破損がないか確認し、適切な状態であることを確認します。 - 入浴環境の確認
浴槽の水温を適切に調整します(約37〜40℃が目安)。滑り止めマットを敷き、転倒や滑りのリスクを軽減します。 - 利用者の状態確認
入浴可能な体調かどうかを確認し、皮膚の状態や健康状態を観察します。
必要な道具
- 入浴用スリングシート
- 入浴リフト(天井リフトや移動型リフト)
- 安全ベルト(必要に応じて使用)
2. 入浴用スリングシートの装着
ベッドまたは椅子で装着
利用者を仰向けに寝かせ、スリングシートを背中から臀部にかけて差し込みます。
シートの中心が体の中心に来るように調整します。
腿や背中を支える部分がしっかり配置されていることを確認してください。
リフトへの接続
スリングシートのストラップをリフトのアームに確実に取り付けます。
ストラップの長さが均等であることを確認し、体が安定するよう調整します。
3. 浴槽への移動
持ち上げ
リフトを操作し、利用者をゆっくり持ち上げます。
頭部や四肢が適切に支えられていることを確認してください。
浴槽まで移動
ゆっくりと浴槽の上までリフトを移動させます。利用者の顔がシートで覆われたり、浴槽のふちにぶつかったりしないように注意します。
浴槽に下ろす
リフトを操作して利用者を浴槽内にゆっくり下ろします。水深を調整し、顔や頭が水につからない姿勢を保ちます。
4. 入浴中のサポート
- 安全な姿勢の維持
スリングシートを使用したまま入浴する場合は、利用者が安定した姿勢を保てるよう調整します。 - 付き添い
常に利用者のそばに付き添い、転倒や溺れるリスクを防止します。 - 利用者の反応を確認
入浴中に気分が悪くならないか、体調の変化に注意してください。
5. 入浴後の移動
浴槽からの移動
再度リフトを操作し、利用者をゆっくりと浴槽から持ち上げます。
水滴が垂れるため、事前にタオルを用意しておきます。
移動場所への運搬
利用者をベッドや椅子に移動させ、シートを取り外します。
体を拭き、温めて乾燥させます。
6. 使用後のメンテナンス
スリングシートの洗浄
使用後は温水で洗浄し、しっかり乾かします。湿ったままだとカビや劣化の原因になるため、通気性の良い場所で保管してください。
機器の点検
リフトやスリングシートの部品が正常に動作するかを確認し、必要に応じてメンテナンスを行います。
注意点
- 利用者の体調確認
体調が悪い場合は入浴を避け、無理にスリングシートを使用しないようにします。 - ストラップやバックルの安全確認
装着が不完全だと、持ち上げ時に転落する恐れがあります。 - 介助者の負担軽減
介助者は正しい姿勢で作業を行い、腰や肩に負担をかけないよう注意します。 - メーカーの指示に従う
スリングシートやリフトの取扱説明書に従い、安全に操作してください。
まとめ
入浴用スリングシートは、介助者と利用者の負担を軽減し、安全で快適な入浴を実現します。事前準備や適切な使い方を守ることで、トラブルを防ぎ、スムーズにサポートできます。詳細な使用方法については製品の取扱説明書や専門家の指導を参考にしてください。